ちゃんと知りたい!「シングルモルト」「シングルカスク」「ブレンデッドウイスキー」ってどんな意味?その定義をわかりやすく解説

カスクによるウイスキーの分類
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今回は、ウイスキーにまつわる用語について、イラストを交えながらわかりやすく解説します。

ウイスキーを学びはじめると、あまり聞きなじみのない専門用語に出会うことも多いですよね。

それらの用語の意味定義をしっかりと理解することで、ウイスキーのおもしろさ・奥深さをより楽しむことができます。一緒に学んでいきましょう。

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なんとなく“大人”でとっつきにくいイメージのある、ウイスキーの世界。どうせなら、おしゃれにかっこよく楽しみたいですよね。
そんな初心者の方の「はじめてのウイスキー」を応援するため、ウイスキーに関する基本的な知識や作り手のストーリー様々な楽しみ方を厳選して紹介します。

まずはここから!「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の違い

モルトウイスキーとグレーンウイスキーの図解

ウイスキーは、その原料と蒸留方法により、大きく「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」に分けられます。

原料蒸留方法
モルトウイスキーモルト(大麦麦芽)のみ単式蒸留
グレーンウイスキーモルト + トウモロコシ、小麦など連続式蒸留

ウイスキーは、大麦麦芽から抽出した麦汁を発酵させ、アルコールを生成させた「ウォッシュ」と呼ばれる液体を蒸留することで造られます。

モルトのみを原料とし、単式蒸留器で蒸留されたウイスキー「モルトウイスキー」といいます。

単式蒸留とは、ポットスチルと呼ばれる蒸留器に1回ごとにウォッシュをいれて蒸留する方式で、ポットスチルの大きさや形状によりウイスキーの酒質が大きく変化します。

各蒸留所の個性が強く反映されるモルトウイスキーは、その蒸留所を象徴する「シングルモルト」として瓶詰めされたり、ブレンデッドウイスキーの主原料として使用されます。

ポットスチル
ポットスチル

それに対しモルトと他の穀物を原料に、連続式蒸留機で蒸留されたウイスキーを「グレーンウイスキー」といいます。

連続式蒸留は、ウォッシュを連続で投入しながら蒸留を行う方式で、短時間で大量の蒸留を行うことができます。

比較的穏やかな味わいをもつ「グレーンウイスキー」は、主にブレンデッドウイスキーの製造に使用されますが、近年はグレーンウイスキーのみを瓶詰めした「シングルグレーン」と呼ばれるボトルを販売する蒸留所もあります。日本では、サントリーの「知多」キリンの「富士」などがシングルグレーンウイスキーにあたります。

連続式蒸留機 出典:サントリーホームページ

モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造るウイスキー「ブレンデッドウイスキー」です。

モルトウイスキーの強烈な個性を、グレーンウイスキーで緩和させながら味づくりを行うブレンデッドウイスキーは、その飲みやすさとリーズナブルな価格から、最も親しまれているウイスキーといえるでしょう。

意外と知らない?「ブレンディング」と「ヴァッティング」

ブレンディングとヴァッティングの図解

「シングルモルト」などの定義を説明する前に、ウイスキー造りにおいて大切な「ブレンディング」「ヴァッティング」について説明します。

「ブレンディング」とはモルトウイスキーとグレーンウイスキーを合わせることをいい、ブレンディングにより造られるのが「ブレンデッドウイスキー」です。

一方で「ヴァッティング」は、モルトウイスキー同士 もしくは グレーンウイスキー同士を合わせることをいい、その目的は、ウイスキーの品質を一定に保つことです。

同じ蒸留所・同じ工程で造られたウイスキーであっても、樽ごとにその仕上がりが異なるため、複数の樽のウイスキーを混ぜ合わせることで品質の均質化を図っています。

また、複数の蒸留所のモルト原酒をヴァッティングして新たな味わいを創る場合もあり、これを「ヴァッテッド(ブレンデッド)モルト」と呼びます。

日本では、ニッカウヰスキーの代表銘柄である「竹鶴ピュアモルト」が「ヴァッテッド(ブレンデッド)モルト」にあたります。

ちゃんと知りたい!「シングルモルト」と「シングルカスク」

シングルモルトとシングルカスクの図解

「シングルモルト」とは、単一蒸留所の複数の樽のモルト原酒をヴァッティングし瓶詰めしたウイスキーのことです。

近年のウイスキー需要の高まりはシングルモルトの人気によるもの、といえるほどで、各蒸留所の個性を強く感じられるシングルモルトは、その多様性と奥深さで多くのウイスキーファンを魅了しています。

さらに一歩進んだウイスキーの楽しみ方として、「シングルカスク」があります。

「シングルカスク」とは、単一蒸留所の単一の樽(カスク)の原酒を瓶詰めしたウイスキーのことです。

ヴァッティングによる品質の均質化を行わないため、単独の樽が生み出す味わいの違いを楽しむことができ、より嗜好性の高いボトルであるといえます。

これで完璧!ウイスキーの分類まとめ

ウイスキーのカスクによる分類まとめ

ここまで説明してきた内容を、スライド一枚&以下のとおりまとめてみました。

ウイスキーを学んでいく際の参考として、ぜひご活用ください。

□ モルトウイスキー
  モルトのみを原料に、単式蒸留器で蒸留されたウイスキー

□ グレーンウイスキー
  モルトと他の穀物を原料に、連続式蒸留機で蒸留されたウイスキー

□ ブレンデッドウイスキー
  モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造るウイスキー

□ シングルモルト
  単一蒸留所の複数の樽のモルト原酒をヴァッティングしたウイスキー

□ シングルグレーン
  単一蒸留所の複数の樽のグレーン原酒をヴァッティングしたウイスキー

□ ヴァッテッド(ブレンデッド)モルト
  複数の蒸留所のモルト原酒をヴァッティングしたウイスキー

□ シングルカスク
  単一蒸留所の単一の樽(カスク)の原酒を瓶詰めしたウイスキー

なお、+αの知識として紹介したいのが「カスクストレングス」という用語です。

一般的にウイスキーを瓶詰めする際には、アルコール度数の調整のために加水を行います。

この加水を行わずに樽詰めを行なったボトル「カスクストレングス」と呼びます。

樽出しの状態のままボトリングされているという点で希少性が高く、アルコール度数が50%~60%と高いものが多くなっています。

おわりに

今回はウイスキーにまつわる用語を解説しました。

わかった気になっていただけましたでしょうか?

基本的な用語を押さえることでウイスキーの楽しみがより広がっていきます。

本サイトでは、様々なウイスキー銘柄に関する基本情報エピソードを紹介していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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