これだけでOK!「余市」どんなウイスキー?からおすすめの飲み方まで

余市とは

今回は、竹鶴政孝の情熱が生んだ“本物”のシングルモルト「余市(よいち)」を紹介します。

言わずと知れたジャパニーズウイスキーの代表銘柄ですが、2022年11月に7年ぶりとなるエイジング商品「シングルモルト余市10年」が全国発売されることでも注目が高まっています。

この機会に、「そもそも余市とはどんなウイスキーか?」を改めて整理しましたので、ぜひご覧ください。

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すぐに余市の商品情報を知りたい方は「余市の種類と価格」をどうぞ

余市(よいち)とは?

余市の基本情報

余市は、ニッカウヰスキーが手掛ける、国産のシングルモルトウイスキーです。

スコットランドでウイスキー造りを学んだ創業者 竹鶴政孝(たけつるまさたか)の、「日本で本物のウイスキーを造る」という情熱が生んだ、まさに“ジャパニーズウイスキーの礎”といえる逸品です。

北海道の冷涼で湿潤な気候の中で、伝統的な手法を守りながら造られる余市は、豊かな樽香と穏やかなピート香、リッチで複雑な味わいが特徴の“力強い・男性的な”シングルモルトといわれています。

シングルモルトってなに?という方にはこちらの記事もおすすめ

ニッカウヰスキーの創業

余市の歴史とエピソード

1918年にスコットランドに渡り、本場のウイスキー造りを学んだ創業者 竹鶴政孝が、帰国後に寿屋(現サントリー)で国内初の蒸留所建設に携わったのち、1934年に独立・創業したのがニッカウヰスキーです。

「日本で本物のウイスキーを造る」という強い情熱を携えた竹鶴が、最初の蒸留所建設の地に選んだのが北海道 余市町でした。

北の大地 余市

余市は、スコットランドに似た冷涼かつ湿潤な気候を持ち、またウイスキー造りに欠かせない清らかな雪解け水、さらには燃料となる石炭やモルトの乾燥に使うピートも入手しやすい、竹鶴にとってまさに理想の地でした。

加えて、余市がリンゴ栽培が盛んな土地であったことも、竹鶴にとっては好都合でした。

ウイスキー造りは、工程を整えた蒸留所を建設し、操業後安定して稼働させ、さらに造った原酒を熟成させるなど、実際の販売までは多くの時間を要します。ウイスキーの販売に至るまでの間、会社の資金調達手段として選んだのが、リンゴジュースの製造・販売でした。

ニッカウヰスキーの創業時の社名は「大日本果汁株式会社」であったのもこのような経緯によるもので、「ニッカウヰスキー」という名前も、創業時の社名から”日“と”果“をとって付けられたものです。

余市蒸留所のこだわり

ウイスキー造りに最適な豊かな環境の中で、余市蒸留所はスコットランド仕込みの“本物“のウイスキー造りにこだわっています。

その工程の中でも特徴的なのが、現在では世界的にも稀有な「石炭直火蒸留」を行っている点です。

ウイスキーは、麦汁を発酵させたモロミと呼ばれる液体(アルコール度数はビールくらい)を蒸留することで造られます。

余市蒸留所では、モロミを入れたポットスチル(蒸留機)を、石炭を焚いた火によって高温を維持したまま蒸留を行なうことで、適度な“焦げ“を発生させ独特の香ばしさを生み出しています。

石炭をくべながらポットスチルを適度な温度に保ち続けるには熟練の職人の技が必要であることから、世界でも少なくなっている「石炭直火蒸留」ですが、こういった一見非効率・不合理なこだわりを積み重ねることで、余市はその味わいを守り続けています。

ジャパニーズウイスキーの原典 “竹鶴ノート”

竹鶴は、当時技師として勤めていた摂津酒造という会社の社命により、スコットランドへウイスキーを学びに行きました。

スコットランドでの蒸留所見学や実習の成果を、当時の上司へ報告するために書かれた二冊のノートが、通称「竹鶴ノート」です。

竹鶴は、自身が学んだウイスキー造りの工程をすべてノートに書き残し、さらに自らの意見を書き添えました。

その内容は驚くほど詳細で精緻、さらに工程設備などを描いたイラストも多く交えられていました。

竹鶴は帰国後、この二冊のノートを基に、寿屋(現サントリー)での国内初の蒸留所建設やニッカウヰスキーの立ち上げを行っており、まさに日本における本格ウイスキー造りの原点であり原典といえる歴史的資料です。

竹鶴ノートは現在でも、ニッカウヰスキー本社に保管されています。

1962年、後に英国首相となるヒューム副首相が来日した際、竹鶴ノートに触れ、

「1本の万年筆とノートで、我が国のウイスキー造りの秘密を盗んでいった」とユーモアを交えて称賛したという逸話が残っています。

余市の種類と価格

ニッカウイスキーの系譜

ニッカウヰスキーを代表するシングルモルトのひとつである「余市」。

かつては熟成年数に応じ10年・12年・15年・20年のラインナップがありましたが、近年の世界的なウイスキー人気の高まりを受け、モルト原酒の枯渇を避けるため、レギュラー商品はノンエイジ商品である「シングルモルト余市」に一本化されています。

一方で、2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーがNIKKA DISCOVERY シリーズ」として展開している「シングルモルト余市 ノンピーテッド」(2021年数量限定発売)や「シングルモルト余市 アロマティックイースト」(2022年9月数量限定発売)、さらには2022年11月に7年ぶりとなるエイジング商品として全国発売される「シングルモルト余市10年」など、近年積極的な商品展開を行なっています。

今後ますます目が離せないニッカウヰスキー。まずはそのはじまりである「シングルモルト余市」を味わってみてはいかがでしょうか。

シングルモルト余市


≪特徴≫
リッチで力強い風味、強すぎないがしっかりとしたピート香と潮の香りが特徴の国産シングルモルト。
ヘビーかつスパイシーですが、日本らしい繊細な柔らかさも併せ持つ銘柄であるため、シングルモルト初心者にもおすすめ。

≪味わい≫
オークの甘さとしっかりしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和

≪飲み方とおつまみ≫
ジャパニーズウイスキーを知る入口として、ぜひオン・ザ・ロックスやトワイスアップで試してみてください。
飲み応えのある銘柄なので、おつまみは軽めにナッツなどでどうぞ。

ニッカウヰスキーの代表的な銘柄としては、、他にも「シングルモルト 宮城峡」「竹鶴 ピュアモルト」が挙げられます。

これらの銘柄についても紹介記事を書いていますので、ぜひご覧ください。

おわりに

今回は“ジャパニーズウイスキーの礎”である「余市を紹介しました。

わかった気になっていただけましたでしょうか?

実際に嗜んでみてわかることもたくさんありますので、興味を持たれた方はぜひ一度お試しください。


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