今回は、個性の強いアイラモルトの中でも入門編として知られる”アイラモルトの女王”「ボウモア」を紹介します。
すぐにボウモアの商品情報を知りたい方は「ボウモアの種類と価格」をどうぞ
ボウモアとは?
ボウモアは「ウイスキーの聖地」と呼ばれるスコットランドの西側の孤島、アイラ島にある蒸留所で作られています。
アイラ島は、淡路島より少し大きいくらいの面積の島です。人口は3,500人程度でありながら、世界的に有名な蒸留所を多数有しています。
ボウモアは、アイラモルトの特徴であるピート香をしっかりと持ちつつも、柑橘系のフレッシュな香りと蜜のような甘みを併せ持っており、これからアイラモルトを知っていこうという方の入口としてとてもおすすめの銘柄です。
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アイラ島最古の蒸留所
1779年に創業されたボウモア蒸留所は、アイラ島内でも最も古い歴史をもつ蒸留所です。
1980年にエリザベス2世女王がアイラ島を訪れた際に、唯一訪問した蒸留所がボウモアであったというエピソードも、その歴史と格式を物語っています。
「ボウモア」はゲール語で「大きな岩礁」を意味する言葉です。
その名の通り、波打ち際の岩盤を削り整地した上に建造された蒸留所は、絶えず波と潮風に晒されています。
伝統の「フロアモルティング」
ボウモア蒸留所では、近年珍しくなったフロアモルティングという伝統的な製法が現在も行われています。
ウイスキー作りの序盤に、水に浸した大麦を発芽させる「モルティング」という工程があります。
近年は機械作業が主流ですが、ボウモアでは大麦を発芽室の床に広げ、モルトマンが木製のシャベルですき返して空気に触れさせながら発芽を促す手作業によってモルティングを行っています。
その後、ピート(泥炭)を焚いた煙で熱することで発芽を止めます。このピートに海藻類や貝殻が多く含まれていることで、アイラモルトの特徴であるピート香に、さらに強い潮の香りが付加され、ボウモア独自の味わいを生み出しています。
海抜0mの貯蔵庫
ボウモア蒸留所には、世界最古ともいわれるウイスキー貯蔵庫 No.1 Vaults(第一貯蔵庫/ヴォルト)があります。
蒸留所の半地下のような場所にあるNo.1 Vaultsは、床面は海面下に位置し、その壁は絶えず海風と波しぶきに晒されています。
このような特殊な環境で熟成を重ね、潮の香りを存分に吸い込んだ原酒が、ボウモアの唯一無二の味わいを作りあげています。
1993年に日本のサントリーホールディングスが資本参入し、現在はサントリーがボウモア蒸留所のオーナーとして、熟成樽の調達などの品質管理を行っています。
そういった理由もあり、ボウモアはスーパーやリカーショップでもよく目にする、とても手に入りやすい銘柄となっています。
ボウモアの種類と価格
ボウモアのレギュラーラインとしては、熟成年数に応じ、12年・15年・18年があります。
そのほかにも限定品を含め様々な銘柄が発売されていますが、今回は初心者にもおすすめしたい2銘柄について紹介します。
灯りを落とした部屋でゆっくりと味わえば、アイラ島の潮風と湿度を感じていただけると思います。
ウイスキーの飲み方についてはこちらで解説しています。
まずはこれから
ボウモア 12年
《特徴》
ボウモアのスタンダードボトルといえる銘柄。
アイラモルトのピート香・スモーキーさと柑橘系のフルーティーさが調和した逸品。
アイラモルトの最初の1本として最適な銘柄。
《味わい》
スモーキー・ダークチョコレートを想わせるあたたかみのあるコク
《飲み方とおつまみ》
ストレートでアイラモルトらしさを体験する。あえておつまみは用意せず、ゆっくりゆっくりグラスを傾ける。
アルコール感が強すぎると感じる方は、ウイスキーと常温の水を1:1で混ぜ合わせたトワイスアップもおすすめです。
加水することで、アルコールの刺激を和らげつつ、より香りを引き立てることができます。
一度は試してみたい
ボウモア ナンバーワン
《特徴》
海抜0メートルに位置するNo.1 Vaultsにおいて、ファーストフィルバーボン樽を用いて熟成した原酒を使用。「ファーストフィル」とは、初めてウイスキーの熟成に使われる樽を指し、バーボン樽が持つバニラ様の香りなどの影響が強くなっています。
価格も手頃で、12年と飲み比べて香り・味わいの違いを楽しんでいただきたいです。
《味わい》
シトラス・ハチミツ・心地よいスモーキーな感覚
《飲み方とおつまみ》
ハイボールが特におすすめ。おつまみは燻製した牡蠣などの缶詰を用意するといいかも。
おわりに
今回は”アイラモルトの女王“と呼ばれる「ボウモア」を紹介しました。
わかった気になっていただけましたでしょうか?
実際に嗜んでみてわかることもたくさんありますので、興味を持たれた方はぜひ一度お試しください。
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