≪結局、“バーボン”ってなに?≫
今回は、よく耳にはするものの実はよく知らない「バーボンウイスキー」について、その定義やスコッチウイスキーとの違いなどをわかりやすく解説します。
「バーボンウイスキー」をひとことで
バーボンウイスキーとは、「トウモロコシを主原料とし、一定の基準を満たした方法で製造されたアメリカンウイスキー」のことです。
と言われても、いまいちピンとこないかと思いますので、同じウイスキーの中でも特に有名なスコッチウイスキーと比較しながら、バーボンウイスキーの特徴を解説します。
『製造国』と『原料』
スコッチウイスキーは、「スコットランドで製造されたウイスキー」の総称です。
スコッチウイスキーの中には、モルトのみを原料とする「モルトウイスキー」、トウモロコシや小麦を主原料とした「グレーンウイスキー」、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」などの種類があります。
一方バーボンウイスキーは、製造国による分類としては「アメリカンウイスキー」に分類されます。
その中でもバーボンウイスキーの大きな特徴は、原料としてトウモロコシを51%以上使用することが義務付けられている点です。一般的には原料の60%~70%程度をトウモロコシが占めており、残りの30%~40%は、ライ麦や小麦、モルトなど、他の穀物をブレンドして製造しています。
バーボンウイスキーのもう一つの大きな特徴としては、その熟成方法が挙げられます。
スコッチウイスキーは、バーボンやシェリー酒の保管に使用した古樽を再利用して熟成します。
それに対しバーボンウイスキーは、新しく製造した樽を用い、樽の内側を焦がしてから樽詰・熟成することが定められています。
内側を焦がしたオーク材樽を使用することで、バニラやキャラメルのようなバーボン独特の力強いフレーバーが生み出されます。
このようにバーボンウイスキーとスコッチウイスキーは、同じウイスキーであっても、製造国や原料、製造プロセスが異なるため、その味わいは大きく異なるものとなります。
バーボンウイスキーとテネシーウイスキー
バーボンウイスキーと並んで有名なアメリカンウイスキーに、「テネシーウイスキー」があります。
アメリカンウイスキーの中で最も有名な「ジャックダニエル」は、“バーボンの代表的な銘柄”と思われがちですが、厳密には「テネシーウイスキー」に分類されます。
アメリカンウイスキーのうち、以下の条件を満たすものが「バーボンウイスキー」と呼ばれます。
・ 原料はトウモロコシが51%以上
・ アルコール度数80%以下で蒸留
・ 内側を焦がしたオークの新樽で熟成
・ 樽詰の際は、アルコール分62.5%以下
※どの州で造っても、バーボンウイスキーと名乗ることができる
上記のバーボンウイスキーの条件を満たしたうえで、さらに、
・ テネシー州で、
・ チャコールメローイング製法を用いて
製造されたものが「テネシーウイスキー」と呼ばれます。
「チャコールメローイング製法」とは、蒸留後のウイスキーをカエデの炭の層を用いて濾過する製法です。
これにより、フレーバーが穏やかになるとともに、よりやさしい口当たりに仕上げることができます。
バーボンウイスキーの主な銘柄
バニラやキャラメルのフレーバーと、甘さとスパイシーさが融合した力強い味わいが魅力のバーボンウイスキー。
Wild Turkey(ワイルドターキ―)
Jim Beam(ジムビーム)
Maker’s Mark(メーカーズマーク)
Blanton’s(ブラントン)
I.W.Harper(I.W.ハーパー)
などが、有名な銘柄として挙げられます。
今回は、バーボンの入口としておすすめの銘柄、メーカーズマークを紹介します。
まずはこれから
メーカーズマーク
《特徴》
ケンタッキー州の小さな蒸留所で造られる、クラフト感溢れるバーボンウイスキー。キャップ部分の赤い封蝋は、すべて手作業で施されています。
通常バーボンにおいて多く使われるライ麦の代わりに冬小麦を使用することで、スパイシーさを抑えた甘く優しい味わいとなっています。
スムースでスイートな飲みごこちなので、はじめてバーボンを試してみる方のみならず、他の銘柄でバーボンに苦手意識を持ってしまった方にもおすすめ。
《味わい》
なめらかでバニラを中心に複雑で繊細・ふっくらした小麦由来の甘み
《飲み方とおつまみ》
ハイボールにすると、華やかな香りがより引き立ちます。おつまみはなんでも。
形に囚われず、自分らしいスタイルで楽しく飲むのが似合う銘柄。
おわりに
今回は「バーボンウイスキー」について解説しました。
わかった気になっていただけましたでしょうか?
実際に嗜んでみてわかることもたくさんありますので、興味を持たれた方はぜひ一度お試しください。
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